トランプ米大統領が就任直後から、よく働いているのだが、
先日、貿易不均衡がフェアではないと発言し、中国と日本を
名指しで批判した。
貿易赤字額だけを取り上げて、感情的に「モノ申す」状態
なのである。どこかで見たことあるようなタイプ・・・
そう、会社にいる典型的な「頭の悪い上司」だ。
日本に対して、日本で米車の販売が少ないのを問題にしたわけである。
かつて90年代には、GMが日本に直営の販売会社を設立していて、
私が住んでいた近所にもあった(一度も行ったことはなかったが)。
「サターン」というモデル名でTVコマーシャルもやっていた。
そして数年後、撤退した。単に売れなかったからである。
日本人は、ドイツ車のように米車に魅力を感じていないし
国内工場で生産した日本車に品質的な安心感もあるだろう。
トランプ大統領も「不均衡なのはアンフェア」と批判する前に、
どうしたら売れるか、日本市場のマーケティングをしたらどうか。
1月25日付の各紙朝刊をチェックすると、米車を日本へ輸入する
際は関税がかからず、日本車を米へ輸入すると2.5%の関税が
かかるとの記事があり、トランプ大統領が騒いでくれたおかげで
アンフェアなのは、アメリカの方だったのが浮き彫りになった。
それから中国との貿易不均衡であるが、i-phoneやパソコンなど
米企業が、在中国企業に作らせた米向け輸出製品も含まれているだろう。
米国内工場で自動車の組立てに使うパーツも含まれているかもしれない。
Mr.トランプは、自分をアメリカ株式会社の社長だと思っている
ようだが、不均衡の中身をもっと精査し勉強して発言した方が良い。
これは、会社で同じようなことを言う上司たちにもあてはまる。
会社ではトランプ氏のように感情的にならず、冷静に時には冷徹に
対処し、上司にプレッシャーをかけるのが得策である。
表面的なことをあげつらうのは、中学生・高校生でもできる。
本質的なことを議題にして発言し、賢い人間になろう。