数年前から、企業による隠ぺい問題が噴出している。
食品偽装、マンションの杭打ち材の性能偽装・免振材品質虚偽、
自動車の燃費偽装・ディーゼルエンジン排気ガス基準逃れ、
品質検査の改ざんのほか、違法長時間労働やパワハラ問題なども
噴出してきた。
企業には、大なり小なり隠ぺいしていることがある。
私はいくつかの会社で営業として働いたが「絶対に客先に
言ってはいけない不都合なこと」が必ずあった。
私が最後に勤務した外資系企業では、技術試験結果を客先に
正直に出してしまったため、ビジネスを失ったとして、社長命で
当時の試験(日本人)担当者が「始末書」を書く破目になった。
これはお客さんにとっては、正確な結果を報告してもらったわけで、
とてもありがたいのだが、製品・サービスが売れなくなり
業績を落としてしまうため、自社にとっては「不都合」に
なってしまうわけである。
また、私も自信を持って客先へ出していた試験結果が、
本国親会社の試験担当者が試験をまともにせず、適当に数値を
記載していたことをあとになって知り、唖然としたこともある。
偽りの対応をして、客先との間で真っ先に板挟みになるのは即
営業担当である。現場の営業担当者は客先から苦情を受け、
会社との間で板挟みになり相当苦しい立場に追いやられている
ことだろう。営業担当には罪はないのに、本当に気の毒である。
当事者はたいへんな状況であろうが、会社内で、こうした改ざん
・偽装にかかわってしまい良心に駆られていた人がいるはずであり、
そうした方が精神的に解放されるいい時代になったと思う。