今回ご紹介するのは、ロバート・D・エルドリッチ著
「オキナワ論 在沖縄海兵隊元幹部の告白」
正直、在沖縄米軍は「荒くれ者」の集団と思っていたが、
海兵隊は陸・海・空軍とは異なる組織であり、このような
インテリの方がいたとは知らなかった。
著者は、元々日本の大学の研究者で、日本と沖縄の歴史研究が
左翼系研究一色に染まっていたため、「事実」を突き止めようと
歴史研究を続けてこられた博士である。
日本政府に対しても米政府(米軍)に対しても、政策提言をしてきた
方で、日米同盟を真摯に考え、日本と米国の人的交流を促進し、
東日本大震災では在米軍による「トモダチ作戦」の影の功労者でも
ある。
海兵隊を去り、第三者の立場からの意見・提言をしているので
一方的に米軍の立場を主張したりしていないのだが、沖縄地元
メディアの意図的な反米軍・反政府報道や、事実と異なる歪曲報道
に苦言を呈している。著者が具体的な数値や事実をもとに反論して
いるのにも好感が持てる。
日本のマスコミに対しても意見を述べているので、抜粋してみる。
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日本新聞協会が制定した「新聞倫理綱領」(2000年)は、『報道は
正確かつ公正でなければならず、記者個人の立場や信条に左右されては
ならない』と謳っています。しかし、実際にはどうでしょうか。日本の
多くのメディアがとりわけ沖縄関係の報道になると、その規定を逸脱
して平気な顔をしています。
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著者によると、在米軍の事件は大騒ぎするけれども、海岸道路から
自転車で転落した老人を米軍人が救出したことなどは無視したり、
在日本海兵隊が行っている、地域交流をはかるイベントや英語プログラム
などは一切報道されないなど、マスメディアの偏向報道は多くあるという。
その一方で、沖縄のマスコミが中心となって反政府・反基地で感情論を
振りかざし、日米政府間の約束を反故にするような活動は、政府間同志の
約束を反故にする韓国と同類に見える。
過去には「成田空港」を巡る反政府闘争があったが、それもなくなり
沖縄を、左翼団体やメディアが自分たちの活動の「最後の砦」にして
しまっている。
基地反対だとして強くだだをこねると、政府からの補助金、振興予算
が多くなり、得をする人もいるという。
そんな利権構造にさえなっている。
皮肉なことに米軍基地の存在が、反日・左翼団体の拠り所なのであり、
基地の存在に感謝すべきなのは、むしろ彼らの方なのである。
反政府・反基地を展開するが、中国の尖閣諸島への動きを全く批判せず
過去から親中国政策を進めるような翁長知事もそうである。
だだをこねていられるのは、民主主義国家を作った日本政府のおかげで
あることを忘れないでもらいたい。
それでも政府に反駁するのなら、基地のない島か、知事の好きな中国に
移住していただきたいものだ。