私は、最初に勤務した上場企業で法人営業として10年余り勤務
したあと退職し、海外へ出かけることにした。
当時は激務に激務を重ね、疲労困憊していて転職する気もなかった。
2年余りでの海外滞在中、語学学校、現地旅行会社へ勤務するなど
日本国内にいては経験できないことをさせてもらった。
心身の疲労も回復し、次第に日本で復活してみたいと思うようになった。
しかし帰国後、厳しい現実が待っていた。
日本国内では、私のようにキャリアにブランクがあるとマイナスに
受け取られるのである。遊んでいたわけではないのに。
応募しても不採用という繰り返しで、憂鬱な毎日を過ごしていた。
4ヵ月後、ある外資系の小さな工場に契約社員として採用が決まった。
部署が製造部なので、製造現場の研修からスタートである。
夏の期間は、外で大量に汗を流しながら肉体労働をすることも度々
であった。
実はこの期間にも「営業にもどりたい」という気持ちが強く、
転職活動を続けていた。応募しては不採用の繰り返し。
自分の人生はここで終わりなのか・・・とあきらめかけていた。
するとある日、実家から連絡があり、人材会社から採用情報の連絡が
入ったという。すかさず連絡を入れると、職種が法人営業とのことで
早速応募してもらった。
応募から採用に至るまでに数ヵ月の時間を要したが、なんとか
外資系メーカーの法人営業として採用が決まった時は、
飛び上がるほど嬉しかったことを覚えている。
今から思えば、自分の人生はもう終わりかも・・と思った時が
底を経験している時で、そのとき突然現れた女神をぐっと掴み離さず、
チャンスに乗れたと思われるのである。
苦しかった再就職から転職までのあの時が、次のステップへの期間
だったのだと思い返される。
いま現在苦しい状況が続いている方は、希望を捨てずに毎日を強く
生きてもらいたいと思う。