4月初め来日し「世界で一番貧しい大統領」として話題となったウルグアイの
ムヒカ前大統領。前大統領の言う「貧しい」の意味が異なるので、上記は
マスコミが勝手につけたタイトルだとわかる。
日本での滞在中に、下記のメッセージを残していった。
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1.日本人は今本当に幸せなのか。かつての日本人はすごく強く、多くの
障害を乗り越える強さを持っていた。今の日本はあまりにも西洋化して
しまい本来の歴史やルーツはどこに行ってしまったのか、を問いたい。
2.生きることは死に近づくこと。何にどう時間を使うのか、生きている
時間を有効に使うこと。お金を稼ぐために時間が欲しいという考えは
消費社会に支配されている。人生の年月を買うことはできない。
3.幸せとは生きていることに心から満足し、人生を愛し憎まないこと。
そのためには、幸せに生きるために情熱を傾けられるものをもつこと。
4.日本は高齢化社会。国は税金を使って施設をつくり住まいを用意し、
孤独で苦しむ高齢者をサポートすべきである。
5.人生で最も重要なことは勝つことではない。共に歩むこと。
何度も打ち負かされても、やり直す勇気をもつこと。
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出版社の招きで来日したそうだが、日本の政治家は誰も前大統領と
面会することはできない。なぜなら、彼のように国民の生活のことを考え、
自ら国民と同じ目線に立った、清廉潔白な政治家としての生き方は
もはやできないからである。
もし前大統領のようなことを発言し実現しようものなら、経済優先の社会を
進めることができなくなる。そうなると困るのは企業や政府、企業から献金
を受け取っている政党である。
前大統領の言う生き方は、主に個人に対してのものと思われるが、
彼は経済効率を優先した日本が、今後どうなるのかに興味があるようだ。
会社に勤める場合、効率優先でモノのように使われない生き方を考える
必要があると思う。