会社に採用されるときに、会社から提出を要求される書類がある。
それは、日本の企業と外資系企業とでは異なる部分がある。
会社によって多少異なるが、日本の企業の場合、雇用契約書、
身元の保証書や念書を提出される場合が多い。私の経験上
「業務に専念し、何か会社に損害を与えた場合、本人もしくは
保証人が補償する」ことを念書として提出することもあった。また最近は業務上、コンプライアンスの観点から、機密保持の
念書を提出する場合も多い。
私は数社の外資系企業で勤務した経験があるが、日本の企業に
入社する時と外資系企業に入社する時に目にする書類で、決定的な
違いがある。
それは、就業する役職(ポジション)と報酬を明確にする契約書を
交わすことである。報酬には明確に金額と賞与(ボーナス)の算定
方法が記載してあるのだ。
契約は毎年更新することになっている。
昇進や部署の移動などで業務内容が変わる場合も必ず契約を交わす
ことが普通である。
(逆に身元保証書や念書などを提出したことはほとんどない)
外資系起用での契約では、仕事内容が明確になっているが故、
それをはずれた業務をすることはない。仕事内容が変わらなくても
毎年更新するので、その役職では一応、1年単位での期限付きという
わけである。
日本の会社の場合、このようなきちんとした契約書を交わさないので
本来の業務外の仕事を任されても断りにくい。過剰な責任や仕事量を
任されることもしばしば発生する。
それでも給与は変わらない。私は大学卒業後、一部上場企業で法人営業
として勤務していたが、給料に見合わない仕事をたくさんこなしていた。
いつまでそんな状況が続くのか非常に不安で、暗いトンネルに入り込ん
だようで、つらかったのを覚えている。
心身を壊したり、自殺してしまう会社員はあとを絶たないが、
このようなブラック企業を思わせるような過剰な勤務は、職場単位の
問題もあるだろうが、
根本的にはこうした労働契約内容をきちんと決めない日本のやり方に
問題があるのではないだろうか。
昨年、派遣社員としてある外資系!企業に勤務した時に、契約途上で、
(派遣会社との)契約内容とは全く異なる仕事をするように仕向けられた
ことがある。
外資系企業でさえ、日本人の上司のなかには立場の低い人(部下)を
「どうにでも使ってもいい」という考え方を持つ人がいるのだ。
たとえブラック企業ではなくても、今後、こうした上司は
排除されていくべきだろう。