コールセンターや総選挙前の電話アンケートなど、短期派遣社員が活躍
している場所は意外と多い。
今回、投資家向けの上場企業情報を年に4回発行している会社で求人が
あるのを知り、どんな仕事なのか体験してみた。求人募集していた
派遣会社の営業の方が言うには「PCも使わない簡単な仕事ですよ」と
いうことであった。このために集められた派遣社員は35名ほどであった。
仕事内容は、あらかじめ上場企業に送ってあるアンケート用紙を回収し、
回答内容を確認するというもの。ところが、積極的に回答しない会社も
あれば、「回答しない」方針をもつ会社もある。また回答内容に不備や
不明点があれば、1社ずつ電話確認しなければならない。上場企業は
千数百社あるので、派遣社員で分担して確認作業をする。
正社員の方は、この電話で確認する行為を「取材する」という言葉を
使っていた。聞こえはいいが、明確な回答をしてもらうために何度も
電話をすることもあり、「尋問」に近い。
このアンケート自体は昔から実施しているようだが、この時勢、すべて
紙で回収し郵送かFAXで受け取るというやり方でびっくりした。
電話した会社から指摘されたことであるが、早くアンケートの電子化を
すべきだと感じた。
この情報会社は、このような泥臭い派遣社員の働きがなければ情報は
集められず、企業情報の発行もできないのである。
回答する上場企業にとっては正しく新しい情報を掲載してほしいという
意思もあり情報提供はタダでやってもらっているのだが、企業情報が
掲載された冊子は、当然のことながら有料で発行している。
なんとも複雑な思いにかられた。