名前は忘れたが、欧米企業に勤務経験のある著者の本を読んだこと
がある。
そこには、欧米では営業担当職というのは、下っ端の「卑しい仕事」
という意識が強いということであった。
私が勤務していた欧州系企業でも思い当たることがある。
マーケティング部署は、営業部署よりも職位レベルが上であり、
営業担当の役割の一つとして、彼らに市場情報や、顧客情報を
上げなくてはならなかった。
また、彼らは語学堪能でMBAなどを持っていれば、営業職の経験が
なくとも、いきなり要職に就くことが出来る。
一方、営業マネージャ(部長)職も、語学レベルをクリアして
いれば、営業経験がほとんどなくともポストに就くことが出来、
相当なサラリーが得られる。
ということで、営業担当職はどんなに経験や実績を積もうが、
目立たず縁の下の力持ちのままなのであった。
担当者からの情報がなければ彼らは全く仕事が出来ないのに、
である。
当然のことながら、マーケティング部署や営業マネージャとは、
どんどん心が離れていき、客先で得られた重要な情報を報告する
のを止めた、という事例は数えきれない。